ドボルザーク作曲「新世界より」といえば、何と言っても、2楽章冒頭のメロディーが、日本人にも馴染み深いのではないでしょうか。
小学校の下校時間や町の夕方に、スピーカーからも流れていた、あの郷愁を誘う曲。
「と〜おき や〜まに ひ〜はお〜ちて〜」という歌詞で歌った思い出のある方も、きっといらっしゃることでしょう。
「遠き山に日は落ちて」は、戦後、堀内敬三氏により作詞されたものですが、実は他にも様々な歌詞がつけられています。
いくつかご紹介しましょう。
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「Goin' Home」
作詞:William Arms Fisher (1922年)
Goin' home, goin' home,
I'm a goin' home;
Quiet-like, some still day,
I'm jes' goin' home.
It's not far, jes' close by,
Through an open door;
Work all done, care laid by,
Gwine (or: Goin') to fear no more.
Mother's there 'spectin' me,
Father's waitin' too;
Lots o' folk gather'd there,
All the friends I knew,
All the friends I knew.
Home, I'm goin' home!
★これは、1893年12月にニューヨークで「新世界より」が初演されてから29年後、ドボルザークの弟子によって作詞されたものです。
そして、それから遅れることわずか2年で、あの宮澤賢治も作詞しているのです!
「種山ケ原」
作詞:宮澤賢治 (1924年)
1.
春はまだきの朱雲(あけぐも)を
アルペン農の汗に燃し
縄と菩提樹皮(マダカ)にうちよそひ
風とひかりにちかひせり
四月は風のかぐはしく
雲かげ原を超えくれば
雪融けの草をわたる
2.
繞(めぐ)る八谷(やたに)に劈靂(へきれき)の
いしぶみしげきおのづから
種山ヶ原に燃ゆる火の
なかばは雲に鎖(とざ)さるる
四月は風のかぐはしく
雲かげ原を超えくれば
雪融けの草をわたる
★次は、私達が一番馴染みのある歌詞ですね。
「遠き山に日は落ちて」
作詞:堀内敬三 (戦後)
1.
遠き山に 日は落ちて
星は空を ちりばめぬ
今日の業(わざ)を なし終えて
心軽く 安らえば
風は涼し この夕べ
いざや 楽しき まどいせん
まどいせん
2.
やみに燃えし かがり火は
ほのお今は 鎮まりぬ
眠れ安く いこえよと
さそうごとく 消えゆけば
安き御手(みて)に 守られて
いざや 楽しき 夢を見ん
夢を見ん
★また詩人の野上彰氏も、以下のような作詞をされています。
「家路」 作詞:野上彰
1.
響きわたる 鐘の音に
小屋に帰る 羊たち
夕日落ちた ふるさとの
道に立てば なつかしく
ひとつひとつ 思い出の
草よ花よ 過ぎし日よ
過ぎし日よ
2.
やがて夜の 訪れに
星のかげも 見えそめた
草の露に ぬれながら
つえをついて 辿るのは
年を老いて 待ちわびる
森の中の 母の家
母の家
(T.K)
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